和飲楽

一年の軌跡

 

この一年を振り返って・・

 

その自らの歩み／その成功と失敗、喜びと悲しみの軌跡／をごまかしなしに

 

問いただすことは大切であると思います…

 

『ソムリエおじさんの和飲楽』と言う場を与えていただき、

 

『ワインのある風景／心象』というテーマで日常の生活シーン、

 

自らの心象の軌跡をワインに絡めて描いてきましたが・・

 

文章力の不足や表現のいたらなさで読みづらいところが多々あったと思います…

 

にもかかわらず、そんな拙文でも読んでいただき、

 

またコメントをいただいたことを本当に感謝いたしております。。

 

来年もまた、新たに肩の力を抜いて徒然なるままに、

 

しかし真面目に書き綴っていきたいと考えています。。

 

・・・・・・・・・・・・

 

今年2006年（平成18年）の干支は戌（いぬ）でしたネ。

 

私の好きなワインのひとつにダナヒルセラーズ・スリーレッグドと言うワインがあります。

 

そのエチケット（ラベル）には一匹の犬が…

 

"Three Legged Red" という名は本ワインの醸造家エリック・ダナムの愛犬ポートにちなんで付けらています。
 

この話はボトルの裏ラベルに書かれていますが、

 

 

子犬時代にピット・ブルに襲われて足を1本失った（つまり "3本足" になった）ポートをエリックが救ったことが記載されています。

 

人間の温かさと言う格別な味わいが。。。

 

Ｈａｐｐｙ Ｄａｙ！

 

マタイ福音書のクリスマス物語は・・

 

東からきた博士たちがクリスマスの出来事の最初の目撃者になったと伝える…

 

彼らは遠い東の地で暗夜に輝く一つの星を見、それを求めて

 

自らの故郷を後にし砂漠を超えての遥かな旅の果ての

 

ベツレヘムで、人知れず生まれたイエスにまみえた。

 

対照的にエルサレムの人々、わけてもヘロデ王、祭司長、律法学者たちは、

 

この出来事について、はるかに正しい知識を持っているにもかかわらず、

 

誰一人としてその星を求めて、ベツレヘムまでのわずか８Ｋｍの道を自ら辿ろうとするものはいない。。

 

結局、大きな富も権力も、正統的な間違いのない信仰も、詳しく正確な知識も、彼らをクリスマスの出来事の目撃者にすることはできなかった…

 

星を求める博士たちの旅は、平坦にベツレヘムの馬小屋へと通じていたわけではない。

 

しかし、彼らは旅立った…

 

自ら、住み慣れた自分の土地を後にし、星を求めて遥かに旅したものだけが、

 

その旅の果てで、その出来事に行き会えるのだと聖書は告げる。

 

・・・・・・・・・・・・

 

「自分のところにいたら何に出会うことも出来ないから旅に出る・・

 

何かいいものがあったら、必ずこっちから探しに行かなくてはならない。

 

待っていたら何も来ない。」

 

／森　有正　『生きることと考えること』

 

 

今夜は…一杯の赤ワインと一欠片のパンで静かに過ごそう。。

 

Ｏｈ！　Ｈａｐｐｙ　Ｄａｙ！

 

 

マリア讃歌

フィレンツェにある質素なサンマルコ修道院、

 

二階の小部屋に通じる階段を上り詰めた壁には、

 

フラ＝アンジェリコのよく知られた『受胎告知』の絵が、

 

それこそ無造作に漆喰の壁面に描かれています・・

 

 

 

 

 

マリアが天使から受胎を告げられる場面が…

 

天使の衣の、アンジェリコの美しいヴァイオレットを主体とした色、

 

トスカーナの山々を思わせるなだらかな曲線とともに描かれています。。

 

マリアはひたすらに＜わたし＞の身に起こったことだけを見つめながら・・

  

どこまでも、自分自身の歌を自分自身の讃歌を歌おうとする。。

 

私たち人間のいかなる貧しさも弱さも、欠けも恥じも醜ささへも、

 

それにもかかわらず、そこに大いなることがなされるのを拒むことはできないことを…

 

マリアは私たちに教える。。

 

クリスマスは・・

 

私たちが＜貧しさ＞や＜いやしさ＞や＜弱さ＞にうずくまる時ではなく…

 

それにもかかわらず、その＜貧しきわたし＞の上になされつつある＜おおいなること＞

 

の方に眼を開く時である。。

 

 

Holy night・・

 

J.S.バッハの＜マグニフィカート（Magnificant）＞を聴きながら…

 

一杯の赤ワインと一切れのパンで静かに過ごしたい。。

 

 

小さな忘年会

 

日ごと寒さがつのります・・

 

クリスマスキャロルが聞こえる頃には…

 

粉雪が舞うかも知れませんネ。。

 

一昨日（17日）某ワインバーのお客さんたちとワイン会を行いました。。

 

テーマは『カジノロワイヤルに登場したワインたち…』

 

シャンパーニュのボランジェ・グランダネ　1997

 

シャトー・アンジェルス　1990

（ボンドガールのエヴァ・グリーンが飲んだのはアンジェルスの1982ですが…）

 

その他参加者各人の持ち込んだグラン・ヴァンの数々…

 

グラン・エシェゾー1978（Ｊ・ドルーアン）、ＣＨ・ラポワンテ（ポムロール）

 

美味しゅうございました。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某ワインバーの常連さんのマンションの一室をお借りして行いました。

（ザ・梅田タワーの二十七階角）

 

参加者は１０名でワインと映画に造詣の深い面々なので、

 

マニアックな話になるかと思ったのですが・・

 

話題はもっぱら今年度オープンしたレストラン／和食小料理屋・ビストロ・タベルナ・トラットリア・バル…／のことやその評判についてばかり。。

 

私も知らない店が多数ありました。。。

 

来年にはチェックしなければ・・

 

・・・・・・・・・・・・・

 

シャトー・アンジェルス：

 

仏　ボルドー地方/オー・メドック地区

 

サンテミリオン村

 

ぶどう品種はメルロー種を中心に混醸

 

 

丁子屋

 

街道沿いに、３００年近くも続く『丁子屋』があります・・

 

湖北の海津と若狭・小浜への分岐点であり、小浜と竹生島を結ぶ巡礼道でもあった

 

古い宿場町の佇まいを残す今津の町並みを少し歩くと、看板が目に飛び込んできます…

 

鴨すきが有名で、文人・佳人たちが度々お忍びで足を運んで来るそうです。。

 

 

 

 

 

 

 

料理はいたってシンプル。。

 

・鯉の洗い　・もろこ網焼き　・うなぎ蒲焼　・鴨すき ・〆のうどん

 

友人たちとワイン２０本、清酒５本を持ち込み、まさに『酒池鴨林』！

 

たらふく食ってオヒラキ。。

 

参加者全員の目が満足でトローンとしていました。。。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

参考に：欧州でも鴨料理は伝統的で一般的な料理の一つです。

 

ワインとのマリアージュ（相性）の伝統的なモノを紹介いたします・・

 

カナール・ソバージュ（野鴨）のロティ／リシュブール
 

カナール（鴨）のオー・サン／シャンベルタン

カナール（鴨）・ア・ロランジェ（オレンジ）／ヴァン・ジョーヌ（仏ジュラ地方のワイン・完熟サヴァニャン種使用の白ワイン）

 

ポーラー・エクスプレス／北極行特急列車

皆さん…最近何か『感動』したことがありますか・・？

 

子供の頃・・胸の中に溢れんばかりに湧いてきた期待感や

 

ドキドキ感がなくなってしまったなぁ～って思いませんか…？

 

去年の今頃、私は・・

 

子供の頃の期待感やドキドキ感がなくなってしまっている自分に途惑っていました。

 

小さい頃は…すべてが新しく驚きとまばゆさに満ち溢れていたように思います。

 

年を重ね大人になって、ふと気付いてみると、すべてが慣れ親しんだものとなり、

 

驚きも輝きも失われた世界に居るような感覚に襲われている自分がそこに居ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時（2004年）、クリスマス・ムービー『THE POLAR EXPRESS』を観ました。

 

監督：ロバート・ゼメキス、主演：トム・ハンクス

 

次世代モーションキャプチャーのフルＣＧアニメーション！

 

スペクタルでファンタジック、スリリング、

 

そしてエモーショナルな展開に膨らませる想像力は素晴らしく凄い映画でした！

 

「クリスマスを待つ期待感やドキドキ感は今になっても感じる。」

 

と語るロバート・ゼメキスだからこそ実現したのだろうと思います。。

 

映画を見終わって・・

 

“再びそして新しい”期待と感動を模索してみたいと思いました…

 

広告代理店やマスコミが仕掛ける「感動をありがとう」キャンペーンの「感動」なんて

 

のは御免こうむりたい…ですけどネ。

 

ワイン鑑賞－基本編／色

ワイン外観の鑑賞が終わったら・・

 

次は『ワインの色』を鑑賞します…

 

色合いと濃淡・帯びを観ましょう。。

 

□白ワイン

 

 色合い：緑がかった黄色、黄色、黄金色、麦わら色、玉葱の皮色…

 

濃淡と帯び：グラスの足を持ち傾け、その液中央の色が淡いか濃いか？

 

液縁（傾けたグラスとワインの接点）の色は緑色がかっているか？

 

褐色がかった色があるか？どうかを評価・鑑賞します。

 

 

 

 

基本的には・・

 

・若いワインは、色は淡く液縁（えきふち）の黄緑色が強く

 

・熟成したワインは色が濃く液縁（えきふち）に褐色がかった色があります。

 

 ■赤ワイン

 

色合い：ルビー、ガーネット、マホガニー（赤褐色）、アンバーブラウン…

 

濃淡と帯び：グラスの足を持ち傾け、その液中央の色が淡いか濃いか？

 

液縁（傾けたグラスとワインの接点）の色は紫色がかっているか？

 

褐色がかった色があるか？どうかを評価・鑑賞します。

 

 

 

 

 

 

基本的には・・

 

・若いワインは、色は濃く液縁（えきふち）の紫色が強く

 

・熟成したワインは色が淡く液縁（えきふち）に褐色がかった色があります。

＊濃い赤は酸の含量が高いことを示しています。

 

 

ワインの色鑑賞で、若いワインか熟成したワインかが判るようにしたいですネ…

 

アドベント／待降節

アドベント／待降節の季節に入りました・・
 

キリスト教会では、壇の上に一本のローソクが灯され…
 

日曜日が来て新しい週に入ると一本ずつ加えられて、２本、３本、

 

そして４本になったところでクリスマスを迎えることになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリスト教にとっては・・

 

クリスマスは救い主イエスの誕生を記念し祝う日。
 

アドベントはその救い主の誕生を待ち望む人間の姿勢の表現です。。
 

待ち望まれたものの実現は・・

 

私たちの眼から見て次第に未来が開けてくるように思えている時期…

 

逆に、もう駄目だ望みが絶えたとしか思えなくなってしまった時期…

 

それらの時期を乗り越えながらもやってくる…

 

人間の『本当の希望』はこのように実現するのだという教えなのです。。

 

北欧やドイツなどではこの時期にはクリスマスマーケットが立ち、

（クリスマスの飾りやくるみ割り人形、焼きソーセージ、お菓子などの屋台）

 

人々は連れ立ってプレゼントを選んだりしてクリスマス気分を楽しみます。

 

その時冷えた体を温めるのは、クリスマスマーケットに欠かせない･･･

 

｢グリューワイン｣と呼ばれるホットワインです。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・

グリューワイン：

 

Glühwein（独・オーストリー）

 

北欧ではグリュッグ Glöggと呼ばれています。

 

砂糖や香料を入れて暖めたホットワイン

 

各家庭によってオリジナルレシピがあります。

 

 

 

 

００７／カジノ・ロワイヤル

12月1日、００７シリーズ第21作『カジノロワイヤル』が封切られました・・

 

ボンド役はダニエル・クレイグ、ボンドガールにはエヴァ・グリーンですね…

 

ボンドが「殺しのライセンス」を獲得するまでの物語…期待に胸がふくらみます。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェームスボンドといえば欠かせないのがシャンパーニュ！

 

昔はドン・ペリニヨン、今はボランジェ・・
 

今回映画の中に登場するシャンパーニュは「ボランジェ・グランダネ1990」…

 

第1作『ドクターノオ／００７は殺しの番号』

 

ショーン・コネリーがボンドを演じたのは1962年のこと。

 

皆さんはこの世に誕生していましたか…？

 

・・・・・・・・・・・・・・

ボランジェ・グランダネ：仏　シャンパーニュ地方のアイ村

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィンテージ・シャンパーニュのグランダネは100％小樽発酵が行われ…
 

ピノ・ノワールの比率が高いことも特徴の一つ。

 

気泡はこの上なく繊細で、味わいはクリーミーなアタック。

 

ブケはブリオッシュやヘーゼルナッツなど複雑で香ばしい。。

 

ワイン評価本によれば、シャンパーニュ地方で三つ星はクリュッグとボランジェだけ。

 

ボランジェはどの巨大グループにも属さず、家族経営を続けています。